歯が染みるのは知覚過敏
これは知覚過敏という症状で、日本人の多くが抱えている歯の悩みです。
ぐりーんうぉーく歯科にも、知覚過敏に関する悩みを相談しに来られる方が少なくありません。
虫歯や歯周病のように、直接歯を失う原因になるわけではありませんが、放置していると食べたり飲んだりするのもつらくなるので早めに対処することが重要です。
ここでは、知覚過敏の原因や対処法についてご紹介しましょう。
知覚過敏が起こるのは刺激が神経に届くから
知覚過敏が起こる理由を理解するためには、歯の基本的な仕組みを知っておく必要があります。
歯の中心には歯髄という部分があり、その内部で神経と歯がつながっています。
そして、歯髄は周辺を象牙質、エナメル質という順番で覆われています。
エナメル質は、からだの中で最も硬い部分と言われており、歯が何らかの刺激を受けても歯髄まで刺激が届くことはほとんどありません。
しかし、何らかの原因でエナメル質が失われてやわらかい象牙質が剥き出すと、熱いものや冷たいものを食べたときの刺激が歯髄に伝わりやすくなります。
それが、しみるという症状を引き起こしているのです。
エナメル質が失われる原因はいくつかあります。
例えば、間違ったブラッシングを続けていて、徐々に歯が削られてしまったり、歯ぐきが痩せて下がってしまい元々エナメル質に覆われていない部分が出てきてしまったりすると知覚過敏になりやすいと言われています。
知覚過敏の対処方法
知覚過敏は、放置していると楽しい食事の時間をつらいものにしてしまいます。
そこで、歯がしみるという症状があったときは、次のような対処法を試してみてください。
- ブラッシングの圧力を弱くする
- キシリトール入りのガムを食べる
- 知覚過敏用の歯磨き粉を使う
- フッ素ジェルを塗る
- 歯を食いしばらない
硬い歯ブラシを使っていたり、磨くときに力を入れていたりすると、歯や歯ぐきに傷がついて知覚過敏になることがあります。
歯垢を落とすのに強すぎるブラッシングは不要です。
普通のやわらかさの歯ブラシを使用し、ブラシの毛先が少ししなるくらいの力で磨きましょう。
ブラッシング法を改善すれば、徐々に知覚過敏の症状も治まります。
唾液の中には、歯を修復するために欠かせないカルシウムやリン酸といったミネラルが豊富に含まれています。
それで、食事の際によく噛んで食べることに加え、ガムを噛んで唾液の分泌をうながすのも知覚過敏を改善するのに有効です。
ガムを選ぶときは、キシリトール入りのものを選ぶと良いでしょう。
ドラッグストアには知覚過敏用の歯磨きが売っています。
このタイプの商品は硝酸カリウムという薬用成分が含まれており、歯の神経を保護して痛みを感じにくくしてくれます。
フッ素と歯の表面に付いているミネラルは結合すると歯を硬くしてくれます。
歯磨きをしたあとにフッ素ジェルと塗っておくと、知覚過敏をやわらげる効果が期待できます。
フッ素ジェルは、ドラッグストアや歯科医院で売っています。
人間の歯は、上下の歯が接する時間はあまりありません。
もし、歯を食いしばるクセがあると、歯と歯が擦れあって亀裂が入ったり、根元が削れたりしてしまいます。
エナメル質が薄くなると知覚過敏になるので、意識して食いしばりに気をつけてください。
歯科医院での知覚過敏治療
歯科医院では、知覚過敏の治療として次のような方法があります。
セルフケアでも症状が改善されない場合は一度ご相談ください。
- 知覚過敏用の薬を塗る
- 歯をコーティング剤で保護
- プラスチックでエナメル質を補修する
知覚過敏を抑える薬は数種類あります。
症状に応じた薬剤をしみる部分に縫っていきます。
一度の塗布で改善するわけではなく、数回繰り返すことによって治療します。
しみる部分にエナメル質の代わりとなるコーティング剤を塗布します。
はがれてしまう場合があるので注意が必要です。
歯の根元がしみる場合は、削れているところに歯科用プラスチックを詰めていきます。
歯の根元は汚れがたまりやすく、症状が改善されにくい部分です。
歯科用プラスチックによる治療で、症状緩和とともに虫歯予防効果も高まります。
知覚過敏と自然治癒力
知覚過敏は、歯科医院での治療を受けなくても症状が改善されることがあります。
それは、歯には削れた部分を自己修復する機能が備わっているからです。
それは、再石灰化と呼ばれています。
食事をすると、歯に歯垢が付き、やがて歯を溶かしてしまいます。
放置していると虫歯や歯周病になって歯を失ってしまうのですが、唾液には歯を修復するミネラルが含まれています。
ですから、歯が少し溶けても自然に元の状態に修復されるのです。
再石灰化は、削れたり割れたりしたエナメル質を修復してくれるので、それにともなって刺激が歯髄に伝わりにくくなります。
ですから、再石灰化というお口の自己修復機能を正常に働かせることが、知覚過敏の改善につながるのです。