歯科衛生士ってなーに?
歯ブラシの時歯茎からの出血があり、心配になって来院したAさん。
新しい歯科衛生士が担当になったけど……
「歯科衛生士」ってなんだろう?聞いてみることにしました。
本日からAさんの担当になりました。歯科衛生士のMです。
よろしくお願い致します
先生とは違うんですか?
「お口のエキスパート」としてお口の中から全身の健康を守ること。
歯科医院では、歯科医師以外で、患者様のお口の内に手を入れることのできる唯一の資格(歯科衛生士法に基づく厚生労働大臣免許の国家資格)を持っているんですよ!
知りませんでした!
…歯科医師との違いは何ですか?
歯科衛生士は、3大業務をもとに、むし歯や歯周病の予防処置を行います。
3大業務とは…
- 歯科予防処置
歯や歯肉の状態の検査、歯周病の原因となる汚れや歯石の除去や、虫歯予防のフッ素塗布を行い、虫歯や歯周病の予防をします。 - 歯科保健指導
健康なお口を維持できるように、歯磨き指導や歯周病予防の為の指導をします - 歯科診療補助
歯科医師の診療を補助し、歯科医師の指示をもとに歯科治療の一部を担当します
なので、定期検診は私(歯科衛生士)が行ます。
むし歯がなければ全体的に歯石除去などを行い、また定期検診になりますが、むし歯があったら歯科医師にバトンタッチし、治療を行います!
なので、先生が治療するところが無いように頑張りましょうね!
歯ブラシのやり方とか、選び方の相談は歯科衛生士さんでいいのかしら?
沢山の種類がありますから、悩みますよね。
その中から、Aさんのお口に合った物を提案します!
歯ブラシにも毛先の形が数種類あります。
- 毛先が平らになっている歯ブラシ
歯冠部(歯の頭の部分)のプラーク・着色除去に適しています。 - 毛先が細くなっている歯ブラシ
歯間部(歯と歯の間)や歯肉溝(歯と歯肉の間)のプラーク除去に適しています。
Aさんはどのような種類の歯ブラシを使っていますか?
あと、毛の硬さは分かりますか?
テレビで歯と歯の間のプラークが取れやすいって言っていました!
硬さは….たぶん「普通」です。
まず、毛先の選び方ですが、「その時のお口の中の状態によって、適している歯ブラシは異なります」
テレビや広告で宣伝している物はあくまで「全体の平均に合わせている万人用」ので、必ずしもそれがいい物とは限らないのですよ。
Aさんは少し歯肉が腫れていて出血もあるので、歯間部や歯肉溝のプラークが除去しやすい毛先が細くなっているタイプがおすすめです!
また、硬さですが、市販されているものの多くは「かため・ふつう」と表記されています。しかし、当院で販売しているものに「かため」はありません。
プラークを落とす事だけを考えるとかための方が除去は高いです。
しかし、歯と違い歯肉(歯茎)は柔らかいので、かたい歯ブラシでゴシゴシ歯磨きをしてしまうと、歯肉が傷ついてしまう恐れがあるので、歯ブラシは「やわらかめ」の歯ブラシがオススメです。
それもいろいろありますけど、種類によって違いはありますか?
どんな殺菌成分が入っているかによって効果が違います。
当院でも数種類販売していますが、大きく分けると「グルコン酸クロルヘキシジン配合」と「CPC配合」のものに分かれます。
- グルコン酸クロルヘキシジン配合
洗口剤の中で最も殺菌力があるとされています。長期にわたり使用すると、歯が着色してしまう可能性があります。体質によりアレルギー症状が出ることもあるので、使用には注意が必要です。 - CPC(塩化セチルピリジウム)配合
強い殺菌・抗カビ作用があります。浮遊菌を沈め、お口の環境を整えます。白い液体なので着色の心配はありません。また、アレルギー症状が出る心配もありません。
着色も気になるのでなるべくは避けたいです。
ほかにもアルコール成分が含まれているものは、ピリリッと刺激が少し強いです。
パウダールームにお試し用に置いてありますので、ぜひ一度試してみてください!
あと、浮遊菌ってなんですか?
頬粘膜や唾液中に含まれる菌を「口腔浮遊菌」といいます。
浮遊菌が歯面に付着することでプラークが形成されます。
お口の中の細菌をゼロにはできないので、洗口剤や歯磨き粉に含まれている「殺菌成分」を使い、菌を抑制することにより、虫歯や歯周病の予防をすることができます。
疑問などがありましたらなんでも聞いて下さいね。
では、一生ご自身の歯でおいしくご飯が食べられるように、これから一緒に頑張っていきましょう!
よろしくお願いします!