お子様の顎の成長を円滑にする小児矯正
子どもの頃であれば、あごの骨も成長段階で、あごの成長をコントロールしながら歯を正しい位置に導くことが可能だからです。
歯を動かすことしかできない大人の矯正に比べると、小児矯正は歯並びが元に戻りにくいというメリットもあるので、少しでも歯並びにお悩みがある場合は、小児矯正を検討してみることをおすすめします。
お子様の噛み合わせが悪くなる原因
生活習慣
幼少期の生活習慣が歯並びに影響することがあります。
例えば、4歳から5歳になっても指しゃぶりが治らない場合、指の力で出っ歯になってしまうおそれがあります。
また、頬杖をついたり、いつも同じ向きで寝ていたりすることも悪い歯並びの原因です。
食べ方
最近はよく噛まなくても食べられる食事が増えていますが、子どもの頃からよく噛む習慣を身に着けていないと、あごが十分に発達しなくなります。
すると、永久歯が正常な位置に生えるスペースがなくなり、前後にでこぼことした歯並びになってしまうのです。
虫歯
乳歯には、永久歯が正しい位置に生えるサポートをするという役割があります。
虫歯によって抜歯してしまったり、歯の形が変わったりすると、永久歯が正しい位置に生えなくなる可能性があります。
遺伝
顔や体型が遺伝するのと同じように、歯の大きさや歯並びも遺伝します。
ご両親が以前矯正治療を受けていた場合、矯正前の悪い歯並びが遺伝する可能性があるので注意が必要です。
小児矯正を始めるタイミング
何の問題もなければ、乳歯と永久歯が生え変わる時期に噛みあわせの相談を受けてください。
最初は虫歯の定期検診のときにそれとなく聞いてみるのが良いでしょう。
歯並びに問題がある場合は、小学校2~3年生くらいから矯正治療をスタートします。
この時期は、あごの成長と歯の生え変わりに合わせて治療が行える時期です。
高校生くらいになると、小児矯正ではなく大人と同じ矯正プランになります。
子供の頃から噛み合わせを整えておく重要性
歯並びが悪いと、見た目が問題となるだけでなく次のようなトラブルを引き起こします。
むし歯
歯と歯が重なっていると磨きにくいので汚れがたまり、むし歯になりやすくなります。
発音が悪くなる
歯と歯の間に隙間があると、発音するときに空気が漏れてしまい、音が不明瞭になります。
また、歯が内側に倒れている場合は、正しい舌の動きができず、発音がおかしくなる場合があります。
全身
噛み合わせが悪いことによって、頭痛や腰痛、肩こりに悩まされることもあります。
周囲の評判
最近は日本でも欧米のようにキレイな歯並びが重要視されるようになりました。
悪い歯並びが、就職や進学に悪影響を及ぼす可能性も否定できません。
小児矯正のメリット
小児矯正は、大人の矯正に比べて治療期間が長くなる場合があります。
しかし、その分次のようなメリットがあります。
- 仕上がりがキレイ
- 正しく歯が生えてくる
- あごの変形を防ぐ
- 手術の可能性が減る
- 抜歯の可能性が減る
- 治療期間を短くできる
あごの成長をコントロールしているので、違和感の少ないバランスの良い歯並びになります。
小児矯正では、乳歯の抜歯タイミングもコントロールします。結果、間違った方向に永久歯が生えてくる可能性を減らし、正しく歯が生えてきます。
あごが成長している時期の悪い噛み合わせは、あごを変形させる原因となります。あごの成長段階で噛み合わせを改善することによって、正しいあごの成長をうながします。
歯が生え変わるときに、歯が傾いているせいで受け口になると、悪い傾きにそってあごが成長し、あごのズレが大きくなりすぎてしまいます。
そうなると、改善するためにはあごの手術が必要です。
しかし、あらかじめ噛み合わせを治しておけば、あごの成長もバランスがよくなり、手術の可能性を減らすことができます。
あごが正しく成長していなければ、歯並びを良くするために健康な歯を抜歯する必要が出てきます。
小児矯正であごの成長もコントロールしていれば、抜歯せずとも必要なスペースが確保されているため、健康な歯を抜くリスクを減らせます。
小児矯正は、第1期治療と第2期治療に分かれています。
第1期治療で満足な歯並びになれば、第2期治療が必要でなくなるので、治療期間を短くでき、費用も抑えることが可能です。
小児矯正の流れ
小児矯正は大きく分けて、次のようなステップに分かれます。
第1期治療
永久歯が正しく生えるスペースを確保したり、歯並びやあごの成長を妨げる噛み合わせを改善したりすることを目的としています。
第2期治療
ワイヤーを使って理想的な歯並びに強制していきます。
すべての歯にブラケットと呼ばれる装置を装着し、歯のねじれや歯並びを整えていきます。